相続放棄の期限に関するQ&A
- Q相続放棄はいつまでに行えばよいのですか?
- Q被相続人が死亡したことは知っていたが自分が相続人であることを知らなかった場合,いつまでに相続放棄をすればよいですか?
- Q相続放棄の期限が過ぎると,相続放棄はできなくなりますか
相続放棄の期限に関するQ&A
Q相続放棄はいつまでに行えばよいのですか?
A
法律上,相続放棄は「相続の開始を知った日から3か月」以内に行う旨が定められています。
すなわち,この日までに相続放棄申述書を裁判所に提出しなければなりません。
相続の開始を知った日は,ケースによって異なりますので,個別に判断していきます。
被相続人がお亡くなりになられた日に看取った場合,相続は死亡により発生しますので,被相続人死亡日に相続の開始を知ったということになり,被相続人死亡日から3か月間が相続放棄の熟慮期間となります。
被相続人と疎遠で長年没交渉となっていたような場合で,市役所や債権者から,被相続人死亡の連絡を受けたときは,通知を受けた日が熟慮期間の起算点となり,ここから3か月以内に相続放棄を行う必要があります。
Q被相続人が死亡したことは知っていたが自分が相続人であることを知らなかった場合,いつまでに相続放棄をすればよいですか?
A
相続には順位があり,先順位の相続人が相続放棄をするまで(すなわち,相続人でなかったことになるまで),後の順位の人は相続人になりません。
順位は,第一順位は被相続人の子,第二順位は親などの直系尊属,第三順位は兄弟姉妹と定められています。
先順位相続人が相続放棄をしたことの連絡を受けた場合,相続放棄をした旨の連絡を受けた日を以て,相続の開始を知った日となりますので,ここから3か月間が熟慮期間となります。
実務上は,連絡を受けた際の日付が入った書面コピーを相続放棄申述書に添付し,裁判所に対して先順位相続人が相続放棄をした旨の連絡を受けた日を疎明したりします。
Q相続放棄の期限が過ぎると,相続放棄はできなくなりますか
A
原則として,相続放棄は認められなくなります。
もっとも,相続の開始を知った日から3か月以上経過してから,被相続人に多額の負債が存在していることが判明した場合で,その負債の存在を3か月以内に知ることが困難であると認められるようなケースでは,例外的に相続放棄が認められることがあります。